【九州出張】買い付け報告 [駒材・魂柱材・古材・ヴァイオリン】

古材とヴァイオリンの
買い付け

今回、3月上旬に臨時休業をいただき、九州にある某工房にお邪魔しました。
弦楽器の製作や修理に使われる木材がとても良く乾燥された状態であり、
今後の製作、修理、調整に役立てられればと思い買い付けてきました。



Czech Violin チェコヴァイオリン】

楽器はヴァイオリンを一台入手。
チェコのヴァイオリンでペグの穴埋めやネックリセット、フィッティングパーツは
全て新しい物に交換しないといけませんが、
チェコの楽器はパワフルな楽器が多いので、完成後の音色がとても楽しみな一台です。

10年以上前の駒や魂柱】

Cello駒

Aubert
Despiau
Milo Stamm

Violin・Viola駒

Aubert
Despiau
Milo Stamm

フィッティングで使用される木材は購入後、乾燥のため、
できれば数年乾燥をさせてからお客様の楽器に使用したいと思っています。
Aubert・Despiau・Milo Stammを購入しましたが、ほとんどが最高ランクの駒です。

ヴァイオリンからコントラバスまでの魂柱材
どれもよく乾燥してます

イタリアの教会に使われていた建築材
とても良質なスプルース材です

魂柱材はどれも確実に40年以上は経っているものです。
このような魂柱材を手に入れる事ができたのはとても幸運でした。

魂柱は[魂の柱]の文字通り、楽器の響きにとても重要な役割を果たしています。
魂柱材として使用する木材は、新材と古材では音色と響きに大きな違いがあります。

今回はイタリアの教会で使用されていた建築用材を入手することもできました。
建築材としてスプルースを使用するのか……と感じましたが、
弦楽器の製作ではなかなか使用しない硬さがありました。
さすが、建築で使われるだけはあります。

ここから魂柱を削り出して立ててみるのもとても面白そうと感じました。

古さを感じる駒材・修理材】

40年ほど前に購入された駒材。
購入時にはすでに製材され、しっかり乾燥している状態だったそうなので、それを踏まえると随分と古い材木だと思われます。
伐採先は不明ですが、ヨーロッパで購入されたとの事でしたので、フランス・ジュラ山脈かボスニア・ヘルツェゴビナ辺りの木材ではないかと……
駒材として使われる良質な楓材(メープル)は
手に入れる事が困難なため、大切に保管し、
駒として丁寧に仕上げていきます。

修理用の木材も買い足しました。
基本的に木材はできるだけよい状態で乾燥したものを使用します。
よく乾燥されている木材は修理後の狂いも起きにくいため、本体に馴染みやすくなります。
状態のよい木材を見つけた時は積極的に購入していきます。

※写真は継ぎネック用の楓材(メープル)4本とスプルース材

【フェルナンブーコ材・ローズウッド材】

【おまけ第一弾】

某工房の店主様から、おまけとして
フェルナンブーコとローズウッドの角材をいただきました。

これらの材木はワシントン条約[CITES]で輸出が規制されており、フェルナンブーコは特に厳しく規制されています。
角材から弓の修理や、ローズウッドはフィッティングパーツ製作などに使用できます。


Jérôme Thibouville-Lamyの内型

【おまけ第二弾】

Jérôme Thibouville-Lamy /ジェローム・ティブヴィル・ラミー(J.T.L)で使用されていた内型。
J.T.Lはフランスの楽器製造会社です。

なかなか見る事ができない代物ですので、
当店にご来店いただいた際には、
是非ご覧になってください。

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